《声明》辺野古の米軍新基地建設変更申請について

2020/04/28

声明・談話

《声明》
新型コロナ危機のさなかの辺野古米軍新基地建設設計変更申請について
――政治的にも技術的にも破綻した計画は即刻中止すべき――

2020年4月21日 日本平和委員会

 防衛省は本日(4月21日)沖縄県に対し、辺野古米軍新基地建設の軟弱地盤改良工事に伴う設計変更を申請した。
 いま、辺野古の新基地建設現場でも新型コロナウイルス感染防止の立場から、「オール沖縄会議」は抗議の座り込み行動を休止し、工事作業員からも感染者が発生し工事も一時中断されている。国民の命と健康を脅かす新型コロナ危機に国民が力を合わせて立ち向かうべきこの時に、新基地建設強行のための設計変更申請を強行し、国民に分断と葛藤を持ち込む政府・防衛省の暴挙に、厳しく抗議するものである。新基地建設は中止し、その巨額の予算を新型コロナ感染対策と国民生活支援に振り向けるべきである。
 この設計変更申請は、新基地建設計画の道理と展望のなさを鮮明に示している。
 申請書でも、建設予定地に広がる広大な軟弱地盤を地盤改良するために、建設に今後最低でも12年を見込み、総工費は埋め立てに要する7200億円を含めて最低でも9300億円を見積もっている。もはや、「普天間基地の一日も早い危険性除去」という新基地建設の大義名分は、完全に破綻した。今後十数年にわたって、子どもたちの命を毎日脅かす普天間基地の危険性を野放しにし続けていいのか? 100年、200年先まで基地の苦しみを県民に与え続け、環境を破壊するだけの新基地建設に巨額の血税を投入していいのかが、厳しく問われている。
 しかも、申請では計画に問題なしとしているが、実際には、これが技術的にも破綻したものであることが明らかになっている。埋め立て予定海域には改良工事も不可能な海面70m以深にも、軟弱地盤が続いているデータが見つかっている。県民からの再調査の要求に対して、防衛省は結局その再調査を拒み続けてきた。専門家からはこのままでは建設しても崩壊する危険が指摘されている。しかも、その下には活断層が走っているが、その危険も防衛省は無視し続けている。
 巨大な環境破壊だけをもたらし、建設できる見通しもなく、建設しても崩壊する恐れのあるこのような無謀極まる設計変更を、沖縄県が承認するはずがない。
 そもそもこの新基地建設計画に対しては、沖縄県民は県知事選挙、県民投票、衆参両院選挙はじめ、あらゆる機会に明確な反対の意思を示している。この厳粛な民意にもとづき、沖縄県がこの計画変更申請を却下するのは当然である。そして、日本がまともな民主主義国であるならば、この民意と県の意思に従って、政府は即刻計画を撤回すべきである。
 私たちは、今後とも沖縄県民と共に、あらゆる点で道理のないこの新基地建設計画を断念させ撤回に追い込むため、全国で世論と運動を広げる決意を表明する。そして、市民と野党の共闘で安倍政権を退場に追い込み、必ずこの基地建設を阻止する決意を表明するものである。

カウンター〈21/06/18-〉

自己紹介

自分の写真
日本平和委員会は、北海道から沖縄までの津々浦々で、草の根から平和を築くために活動しているNGO(非政府組織)です。

こちらのブログは「平和新聞」掲載の記事を中心に紹介しています。

ご入会・ご購読、絶賛受付中です!

日本平和委員会→ http://j-peace.org/

このブログを検索

アーカイブ

ラベル

QooQ