2024年10月12日 日本平和委員会
日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)がノーベル平和賞を受賞したことを、心から歓迎し、長年にわたって核兵器の非人道性と核兵器廃絶を訴えられてきた被爆者のみなさんに、心からの敬意と祝意を表するものです。
被爆者の方たちが、自らが受けた筆舌に尽くせぬ凄惨な体験から、報復ではなく、あらゆる人の上に核兵器の惨禍をもたらしてはならないとの立場で訴えられ続けてきたことが、世界の市民と政府を動かし、ついに核兵器禁止条約を実現する原動力となってきました。
ノーベル平和賞選考委員会が、「被爆者たちは個人の体験を語り、キャンペーンを作り出し、核兵器の拡散と使用に関して緊急の警告を発することで、世界中で反対する声を広めそれを強化するのに貢献してきた。被爆者は筆舌に尽くしがたいことを言い表し、考えることさえできないようなことを考え、核兵器によって引き起こされた計り知れない痛みと苦しみを何とか理解してもらうのに貢献している」「日本被団協や、ほかの被爆者たちのなみなみならぬ努力によって核のタブーは定着してきた」と指摘。「人類の歴史の中で、今こそ核兵器とは何なのかを思い起こす意義がある。核兵器は世界がこれまでに経験した中で最も破壊的な兵器だ」と強く指摘していることは重要です。
今こそ私たちは、被爆者の声に耳を傾け、被爆の実相を伝え、広げ、世界の核保有国と「核の傘」に依存する国々に向かって、核兵器使用の威嚇止めよ、核兵器禁止・廃絶をの声を上げなければなりません。とりわけ、唯一の戦争被爆国・日本政府に対し、核兵器禁止条約に一刻も早く署名・批准することを、強く求めていかねばなりません。
石破首相は記者会見で、「長年、核兵器の廃絶に向けて取り組んできた同団体にノーベル平和賞が授与されることは極めて意義深いことだと考えている」と述べました。そう考えるならば、ただちに核兵器禁止条約に署名し、世界に向かって、この条約への参加を呼びかけるべきです。石破首相が自民党総裁選の中で主張した、非核三原則の見直しや「核共有」の検討などは、被爆者の声に真っ向から反するものであり、撤回すべきです。
私たちは被爆者のみなさんとの連帯を強め、被爆80年に向けて核兵器禁止・廃絶を求める世論と運動をいっそう強める決意です。