【要請】オスプレイの飛行に講義し、飛行中止と撤去を求める

2024/11/21

声明・談話 青年

防衛大臣・中谷 元様
 

軍事演習への米軍・自衛隊オスプレイの大量動員と相次ぐ事故に抗議し全面的飛行中止と撤去を求める
 
2024年11月22日 日本平和委員会
 
 日米政府は、昨年11月29日に発生した屋久島沖での米軍CV22オスプレイの墜落事故原因が究明されないまま、10月23日~11月1日にかけて九州・沖縄を中心に全土で繰り広げられている日米共同統合実動演習「キーン・ソード25」に、米軍・自衛隊のオスプレイを多数参加させ激しい演習を展開。この中で自衛隊オスプレイが連続して事故を起こす事態が生まれた。
 10月23日には、鹿児島県の海上自衛隊鹿屋航空基地に陸上自衛隊木更津駐屯地所属のⅤ22オスプレイ1機が緊急着陸した。陸自によると、機体は、徳之島から高遊原分屯地(熊本県)へ戻る途中にエンジンの油圧系統に異常を探知し、危険回避のために予防着陸した。
 続いて10月27日には、陸自与那国駐屯地(与那国町)に飛来していたⅤ22オスプレイ1機が、同駐屯地内で離陸しようとした際に、機体が左右に揺れて不安定な状況となり、左翼下部が地面と接触して機体が損傷した。陸自は事故調査の結果、「物的要因及び外的要因」ではなく、「人的要因に起因する事故」だとし、11月15日に飛行再開を強行した。だが、事故を起こしたⅤ22の機長の総飛行時間は200時間程度で「平均的な」訓練を受けていたとされる。そうした機長でも単純な操作ミスを起こし、それが重大な事故に簡単につながりかねない、構造上の問題点を持っていることを、今回の事故は改めて示している。
 そもそもオスプレイについては、昨年11月29日に鹿児島県屋久島沖で起きた米軍CV22オスプレイの墜落事故の原因も究明されないまま、飛行再開が強行されてきた。米軍事故調査委員会が発表した事故調査報告書(8月2日)は、「(事故原因となった)高速遊星ギアの部品の故障の正確な根本原因は、二次的な損傷により初期故障の証拠が不明確になったため、特定できなかった」と明記している。クラッチの接続の不具合で機体が制御不能になるハードクラッチ・エンゲージメント問題も「なぜクラッチの不接合が起きるのか?」が解明されずに飛行が続けられている。米海軍航空システム司令部のカール・チェビ司令官も米下院公聴会で「再設計されたクラッチを取得するまでは、リスクは排除できない」と明言している。だからこそ、いまもオスプレイには、何か問題が発生した場合にすぐ戻れる飛行場から30分以上離れて飛行しないという「飛行制限」が適用されている。
 そもそもオスプレイは、開発段階から「高い振動負荷(飛行中に受ける空気の力や気流の影響による振動や衝撃)は、非常に可動部の多い複雑な機体構造と複雑な油圧システムの組み合わせによって、油圧、電機、機械の各システムに問題を発生させ、これらのシステムについて高率の故障の誘因になっている。これらの故障は安全性に重大な影響を及ぼす」(米国防分析研究所の元主任研究分析官レックス・リボロ氏の報告書、03年12月)と指摘されてきた欠陥機である。
 このような欠陥機を飛ばし続けることは許されない。玉城デニー沖縄県知事も、同演習へのオスプレイ使用の自粛を申し入れ、事故を受け、「運用面での危険な状態に至る一歩手前の状態が日常化しているのではないか」と警鐘を鳴らしている。にもかかわらず、11月14日には、福岡空港に米海軍のCMV22オスプレイ計6機を飛来させ、さらに、鹿児島県奄美市の奄美空港に米海兵隊MV22オスプレイ2機を「予防着陸」させるなど、オスプレイが傍若無人の飛行・訓練を行っていることは、断じて許されない。
 私たちは、ここに改めて、米軍・自衛隊のオスプレイ全機の飛行停止と撤去を断固として求めるものである。
 
1、    防衛省は、10月27日の事故を「墜落、衝突、火災その他の原因に起因する航空機の損壊」等の「航空事故」にあたり、機体が自衛隊では修理できず、外部発注による修理が必要な「大破」に当たると認定したとされる。貴省「調査結果」は、今回の事故について、「物的要因及び外的要因」ではなく、「人的要因に起因する事故」だとしているが、今回の事態は平均的な訓練を受けたパイロットでも単純なミスを起こしうるし、オスプレイが単純なミスで重大な事故を引き起こす構造的欠陥を持っていることを示しているのではないか。
また、「機長による操作不良」により「航空機の左右交互の揺れによる不安定な状態を発生させ」たとしているが、具体的にはどのような事態だったのかを説明されたい。米国防総省傘下の研究機関でオスプレイの技術評価を担当した元主任分析官レックス・リボロ氏は、ダウンウオッシュ(オスプレイ自体の吹きおろし)がローター(回転欲)に反射して誘発されたものではないかと指摘している(沖縄タイムス10月31日付)が、どうか? 


2、    11月15日に福岡空港にCMV22オスプレイをなぜ計6機も飛来させたのか?また、米国防総省運用試験・評価局が今年1月に米議会に提出した年次報告書が(2)氷結防止装置など多くの不具合が作戦任務の失敗の44%を占めている(2)整備に時間がかかりすぎることなどを理由に「運用に適していない」と勧告。「完全運用能力」の獲得を24年度以降に先送りしたが、この問題は解決したと認識しているのか? 


3、    昨年11月29日の屋久島沖での米軍CV22オスプレイ墜落事故調査報告書によっても、「高速遊星ギアの部品の故障の正確な根本原因は特定できなかった」とされていることを認めますね。それに対する根本的対策は取られていないことも認めますね。 


4、    AP通信が情報公開法に基づいて収集したデータに基づき、過去10年間に609台のプロペラギアボックスが修理のために取り外され、過去5年間で海兵隊、海軍、空軍がプロペラギアボックスに関連する60件の事故を報告しているとの報道を確認されていますか? そこに記載されていることは事実ですか? 防衛省として確認すべきと思いますが、確認されましたか?

 
5、    オスプレイ特有の「ハードクラッチ・エンゲージメント」についても、「なぜクラッチの不接合が起きるのか?」の原因は解明されていないことをお認めになりますね。米海軍航空システム司令官カール・チェビ司令官も米下院公聴会で「再設計されたクラッチを取得するまでは、リスクは排除できない」と証言していることをお認めになりますね。 


6、    現在も米軍・自衛隊のオスプレイには「制限飛行」が適用されているのですか?その理由と内容を教えてください。
 そもそも、今回の屋久島沖墜落事故も、最後の「チップ・バーン」警告が出てから18分で「墜落」しており、すぐ戻れる飛行場から30分以内という「飛行制限」が妥当かどうかも疑わしい。「30分飛行制限」とした根拠は何か? 


7、    様々な事故の原因も明らかにされていない明らかな欠陥機であるオスプレイの米軍・自衛隊の全機飛行中止と撤去を求めます。また、岩国基地への米空母艦載機オスプレイの配備と横田基地へのCV22オスプレイ追加配備計画、佐賀空港のオスプレイ基地化の工事はただちに中止してください。

カウンター〈21/06/18-〉

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