宇都宮平和委員会は10月8日、市内の栃木県農業大学校敷地内にある掩体壕(えんたいごう)見学会を開催、地元清原地域を中心に15人が参加しました。清原での平和委員会結成に向けた第一歩の企画です。
掩体壕とは、旧日本軍が航空機を敵の攻撃から守るために建設した施設。敷地内には2カ所残っており、同大学校が簡易な資料を発行しています。当日は好天に恵まれ、放牧された同校の牛の横を通り、途中栗拾いもしながら進みました。背丈を超える草が生い茂り、ぬかるんだ道なき道を切り開きながら現場へ。戦時中、清原飛行場(陸軍宇都宮飛行場)に勤めていたという82歳の参加者は、「戦争中のことは、今から思えば本当にばかげたことばかり」と話していました。
清原地域には平和委員会の会員が現在3人います。基礎組織の結成を目指し、7月から毎月集まってきました。その中で「手始めに、地元の戦跡を見に行こう」と相談、「3人だけではもったいない」と知人に声をかけました。参加者の中には市議もいました。
Tさんは入会して1年足らず。「私は地元出身ではないので、地域の戦争についてあまり知らない。今回の企画はよいきっかけになった。当時を知る人が少なくなる中で、語り継ぐことが大事」と話します。「地元の人も知らない人が多いのでは。今回参加した議員とも相談し、通路の整備や保存に取り組みたい」と期待を見せます。
��平和新聞2011年11月5日号より)