【愛知・ききプロ】
青年が被爆体験を聞き撮り
��歳で被爆、初めて証言
愛知県の青年がつくる「被爆体験聞き撮りプロジェクト」は11月26日(日)、北名古屋市で「ききプロ」を行いました。被爆体験を話してくれたのは、同市在住の被爆者で本田さんです。被爆体験を語られるのは初めてだと話されていました。
当時、本田さんは4才で、父親が海軍兵学校の教官をしていた広島の呉で暮らしていました。8月6日、母親と2才年下の弟と出かけようとしていた時に光を見たそうです。その後、空を見たらきのこ雲が見えたと語ってくれました。夕方近くには空が真っ黒になり「黒い雨」が降ってきて、母親から「すぐに家に入りなさい」と言われたそうです。
次の日には、人を探しに広島市内の女学校まで出かけていきました。今の原爆ドームの近くまで来た時には、「いたいよ」「水、水」とうめく人や「○○さん、○○さん」と誰かを探す人でいっぱい、火事も起きていて道路も熱く、泣き出してしまったと話してくれました。結局その日は探していた人は見つからず家に帰ったそうです。それから、学校や公民館に被爆した人が運ばれてきたのですが、真っ黒、真っ赤の人ばかりで人間ではないと思ったと話してくれました。終戦後、父親の実家のある犬山市に家族と向かうのですが、汽車に乗るために広島駅へ行く途中では、死体を焼く異様なにおいがしていたそうです。
本田さんは、「広島の原爆資料館に入れるようになったのは50才を過ぎてからだった。原爆の本当の恐ろしさを知ってほしい」と最後に語られました。(平和新聞愛知県版2017年12月15日)