【声明】学術会議法改定案の今国会提出断念を心から歓迎する

2023/04/19

声明・談話

――岸田政権が日本学術会議法改定案の今国会提出を断念――
学問・研究の自由を守り抜く立場を貫いた
日本学術会議と良識の勝利を心から歓迎する


2023年4月20日  日本平和委員会

 本日の報道によれば、岸田政権は4月20日、日本学術会議法改定案の今国会への提出を断念したとされる。
 これは、日本学術会議が総会で全会一致で同法案の提出中止と学術会議との開かれた協議を求めたことに追い詰められた結果である。また、学問・研究の自由、平和と民主主義を求める日本の良識の勝利である。私たちはこれを心から歓迎する。
 政府は同法案を完全に撤回し、日本学術会議への不当な介入と学問・研究の自由の抑圧、学問・研究を大軍拡・「戦争国家」づくりに動員する一切の策動を中止すべきである。

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内閣総理大臣岸田文雄殿

学問・研究の自由を抑圧する日本学術会議法改定案の国会提出を中止せよ

2023年4月20日 日本平和委員会

 4月18日、日本学術会議総会は、政府が今国会に提出しようとしている日本学術会議法改定案の提出を取りやめ、学術会議との協議の場を設けるよう政府に求める勧告を、全会一致で採択した。学術会議として最も重い意思決定である「勧告」が出されたのは13年ぶりである。
 政府の学術会議法改定案は、同会議会員選出に際し、第3者からなる選考諮問委員会の意見を「尊重しなければならない」とされ、諮問委員会の人選は首相を議長とし財界人も参加する総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)のメンバーなどとの協議の上で決めるものとされ、会員の選出が事実上、政府の監視下に置かれることになる。これが、学術会議側が求めてきた、学術会議との実質的な対話もないままに、唐突に一方的に通告され、今国会に提出されようとしていることは極めて重大である。
 日本学術会議は、こうした政府の姿勢を厳しく批判し、「改正案の提出をいったん思い止まり、日本学術会議のあり方を含め、さらに日本の学術体制全般にわたる包括的・抜本的な見直しを行うための開かれた協議の場を設けるべきである」と勧告したのである。
 学術会議への政府の介入体制をつくり出すこの法案は、学問・研究の自由の抑圧をおしすすめ、いま進められている日米軍事同盟強化、大軍拡・「戦争国家」づくりへと学問・研究を動員することをねらったものである。これは、日本の平和を守る上でも、ゆるがせにできない大問題である。
 私たちは、政府が日本学術会議の勧告に従い、学術会議法改定案の国会提出を中止し、日本学術会議との協議に応じることを、強く求めるものである。

カウンター〈21/06/18-〉

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