ロシア大統領・ウラジミール・プーチン殿
ロシアは、ウクライナ東部地域の「独立」承認と派兵指令を撤回し、ウクライナに対する軍事威嚇をただちに中止せよ
ロシアは、ウクライナ東部地域の「独立」承認と派兵指令を撤回し、ウクライナに対する軍事威嚇をただちに中止せよ
2022年2月22日 日本平和委員会
私たちは昨日、貴職に対し、「貴国がウクライナに対する軍事威嚇の行動をただちに中止し、ウクライナの主権と領土保全の尊重を基礎に、諸問題を平和的外交的に解決する立場で行動することを、強く求めるものです」とする要請文を送付しました。
ところが貴職は、こともあろうに21日(日本時間22日未明)、ウクライナ領土の東部で親ロシア勢力が2014年に「独立」宣言している2つの地域を独立国として承認し、両地域へのロシア軍の派兵を指示する大統領令を発しました。また、ロシアと両地域の友好協力相互援助条約に署名し、ロシアは軍事基地を建設する権利を持つとしています。これは、国連加盟国の主権、独立、領土保全の尊重、武力による威嚇の禁止を明記している国連憲章、国際法の基本原則に反した侵略行為そのものです。私たちは、この暴挙を断固糾弾するとともに、「独立」承認と派兵指令のすみやかな撤回を、断固として強く求めるものです。
国連事務総長も貴国の暴挙が「ウクライナの領土保全と主権を侵害するものであり、国連憲章の原則に反している」と厳しく糾弾し、ロシアとウクライナ、フランス、ドイツの4カ国で2015年に定めた和平プロセス「ミンスク合意」にもとづき、平和的に解決することを求めています。
貴職はテレビ演説で、ウクライナはロシア史の不可分の一部で、ウクライナ東部は古代ロシアの領土だったとも述べています。これは、2014年にウクライナの領土であるクリミアを併合したのに続き、自らの領土拡張を国際法の上に置く、大国主義・覇権主義そのものです。今日の世界で、このような覇権主義は、時代錯誤そのものであり、断じて許されません。
私たちは、かかる国連憲章と国際法に違反する覇権主義的暴挙を厳しく糾弾し、「独立」承認と派兵指令のすみやかな撤回、そしてウクライナに対する軍事威嚇の中止を、断固として求めるものです。