米軍F16戦闘機の緊急着陸・燃料タンク投棄に断固抗議し、飛行中止と撤去を求める
2021年12月2日 日本平和委員会
11月30日午後6時過ぎ、米軍三沢基地所属のF16戦闘機1機が青森空港に緊急着陸し、7機の民間機が欠航となるなど重大な事態となった。同機は着陸前に燃料タンク2本を上空から投棄。1本はいまだに発見されていないが、1本は同県深浦町役場近くの住宅地に近い国道で発見された。現場は町の歴史民俗資料館や住宅が立ち並び、発見現場と住宅地は約20数メートしか離れていない。この国道は子どもたちの通学路でもある。
これは、青森県知事も指摘するように、「一歩間違えば大変な惨事となった」重大極まる事件である。近所の住民は「一歩間違えば私の家に落ちたかと思うと、怖くて怖くて」と肩を震わせているという。
私たちは、日本政府が自らの責任で、今回の事故の原因を徹底的に究明すること、事故原因と再発防止策が明らかにならない限り、F16の飛行中止を求めるよう、強く要求する。もし、米軍任せでなく政府の責任で事故原因究明ができないのであれば、日米地位協定を抜本的に改定すべきである。
米軍F16戦闘機は2018年にも、離陸直後にエンジンから出火し、2つの燃料タンクを小河原湖に投棄している。2019年には六ヶ所村の民有地に模擬弾を落下させるなど、重大事故を連続して起こしている。また、同機は三沢基地周辺地域で傍若無人な低空飛行訓練をくり返し、深刻な被害をもたらすとともに、1985年の三沢基地配備以来10機が墜落している。もはや、F16戦闘機と住民生活は両立しないと言わなければならない。
そもそも、同機はアメリカが海外で戦争を行う際に、真っ先に敵地の地対空ミサイルを含む防空網を破壊し制圧することを任務とする、「日本防衛」とは無縁の部隊である。イラク侵略戦争の際にも、開戦前からイラクのレーダーやミサイル基地を空爆する活動を行った。このようなアメリカの無法な戦争のための戦闘機によって、市民の命と安全を脅かすことは断じて許されない。私たちはF16戦闘機の全面撤去を、断固として求めるものである。
