和歌山県平和委員会は11月6日、県平和委員会の伊藤宏代表理事(和歌山信愛女子短期大学教授)を講師に、「日本の権力とジャーナリズム」と題して講演会を開催しました。対面とオンラインでの参加を合わせ、41人が参加しました。
伊藤さんはジャーナリズム論が専門で、元共同通信社の記者。自身の経験も紹介し、なぜジャーナリズムが必要なのか、現状がどうなっているか、解説しました。
強調したのは、民主主義におけるジャーナリズムの役割です。民主主義の意味を説明したうえで、これを実現するためのシステムである議会制民主主義を成り立たせるために、ジャーナリズムは代表者のやっていることを主権者に知らせ、チェックする役割を負うと述べました。
他方、記者クラブの存在や行政・企業からの便宜供与の実態、フリーランス記者の排除の問題のほか、今も続く「官報接待」や首相とメディア幹部との関係など、ジャーナリズムの良心は失われているのが現状であり、本来の役割を取り戻すべきだと訴えました。
参加者は「真の民主主義を実現するために、正しい日本のジャーナリズムが確立されるために、何をすればよいのか考え続けたい」と感想を寄せました。
(平和新聞21年12月5日号)
