【声明】CV22の無法な訓練と横田配備に抗議する

2021/07/09

声明・談話

防衛大臣・岸 信夫殿

外務大臣・茂木敏充殿


CV22オスプレイの小川原湖での無法な訓練の中止を求める

――横田基地へのCV22追加配備強行に抗議し、撤去を求める――


2021年7月7日 日本平和委員会、青森県平和委員会、東京平和委員会


 米軍横田基地(東京都)に配備されている米空軍特殊作戦用CV22オスプレイが、青森県東北町の小川原湖上空で、無通告なまま危険極まりない超低空飛行訓練を繰り返し行っていることが明らかになった。これは市川俊光東北町議が6月30日と7月1日に目撃・撮影した映像や、米軍関係者向けサイトにアップされていた昨年9月21日撮影の訓練の模様から明らかになった。昨年4月撮影の動画も存在している。

 そこには、小川原湖の水面すれすれに水しぶきを上げてCV22が超低空飛行を行ったり、ロープを吊り下げて、海面から兵士を吊り下げるなどの、極めて危険な訓練が示されている。米軍関係者向けサイトでは、「米軍三沢基地の生存・回避・抵抗・脱出部隊がCV22に引き上げられた」と紹介され、横田基地の第21特殊作戦中隊司令が「近くの淡水に行って訓練し、作戦に必要な任務に慣れていない乗組員が、熟練スタッフと一緒に技術を磨く絶好の機会」「何度も練習したい」と語っている。まさに、民間地である小川原湖をまるで米軍の訓練場のように使用している実態が明らかになっている。

 小川原湖は水産資源が豊富なことから宝沼とも呼ばれ、多数の漁船が操業している。訓練が目撃された際にもはえ縄漁の漁船が何隻か操業していた。小川原湖漁協組合長は「低空飛行の影響で船が転覆する可能性もあった。非常に危険な状況だ」と述べている(「デーリー東北」7月6日)。三沢基地周辺町内連合会会長も「絶対にあってはならないことで、地元が無視されていると感じる」と語っている(同紙7月7日)。

 このような民間地を勝手に使って米軍が訓練を行うことは、本来、日米地位協定でも認められないことである。しかも、訓練は日本の航空法の定める最低安全高度を全く無視した傍若無人な無法極まりないものである。日本を占領地扱いするようなこのような行動が放任されるなら、日本のあらゆる場所で、米軍が無法で危険な訓練を繰り広げられることになってしまう。このような状況を決して許すわけにはいかない。

 私たちは政府に対し、次のことを求めるものである。▶小川原湖での米軍訓練の実態を、過去のものを含めて明らかにすること。▶このような民間地での勝手な米軍訓練は許されないことを明確にし、米軍に対しても今後二度とおこなわないことを確約させること。▶この訓練が最低安全高度以下での超低空飛行訓練であり、低空飛行訓練に関する1990年日米合同委員会合意違反であることも明らかであり、この点でもこうした訓練の中止を求めること。

 この訓練の実態は、先日の山形空港への緊急着陸事故とあわせ、特殊作戦用輸送機であるCV22の危険性を改めて浮き彫りにした。その中で、CV22オスプレイ1機が何の通告もなく米陸軍横浜ノースドックに陸揚げされ、7月6日、横田基地に飛来し、5機体制からの事実上の増強というべき動きがなし崩し的に開始されたことは重大である。私たちは、この配備強行に抗議するとともに、CV22オスプレイ全機の撤去を、あわせて強く求めるものである。

カウンター〈21/06/18-〉

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