沖縄県平和委員会は6月22日、「沖縄戦の何を学び、伝えなければならないのか」をテーマにオンライン学習会を開催しました。講師の山口剛史・琉球大学教授は、当時の沖縄の人々がなぜ戦争を支持し、戦争に駆り立てられたのか、その要因を知ることの重要性を強調しました。22人が参加しました。
山口さんは冒頭、「平和学習のゴールは『戦争はダメ・『平和が大事』なのか、ガマの暗闇は私たちが伝えたい沖縄戦の実相なのか」と問いかけ。学習のポイントとして、①地上戦の特徴を考える②沖縄戦における戦争動員を考える③沖縄の住民はどう生き残ったのかを考える―の3点を挙げました。
山口さんは、特に②について、「皇民化教育で洗脳されて無理やり動員された」でまとめるのではなく、家族のため・沖縄のため・愛する人のためなどと思わされる状況を社会、軍隊、教育が作り出していたことを見抜くことが、戦時体制を理解するうえで重要だと指摘。自発性が強制される社会、郷土愛や家族愛が利用される社会にノーと言えるよう、学ぶ主体である子どもに疑問や思考の自由が保障されることが必要だ、と訴えました。
参加者からは「沖縄戦を学ぶ上で、今と未来の自分の生活に結びつけて考えることが必要だと思った」と感想が寄せられました。