【声明】
イスラエルは武力攻撃をただちに中止し、ハマスも武力報復を中止せよ
2021年5月15日 日本平和委員会
一、 イスラエル占領下の東エルサレム旧市街で、イスラエル政府がイスラム教徒の神聖な儀式ラマダンの集まりを禁じ、パレスチナ住民がユダヤ人入植者のために立ち退きを求められるなどの事態に対し、パレスチナ人が抗議しイスラエル治安部隊と衝突し300人近くが負傷。これに対しパレスチナ自治区ガザを拠点とするイスラム主義組織ハマスがロケット弾を発射。イスラエル軍がガザ地区への空爆をくり広げ、14日には地上部隊によるガザ地区への攻撃を開始した。イスラエル軍の空爆はすでに600回を超え、14日までにガザで119人が死亡、イスラエル側で7人が死亡したとされる。ネタニヤフ首相は13日夜「作戦は必要な限り続き、まだ時間がかかる」との声明を発表し、攻撃はさらに大規模化する危険がある。このままでは、2014年のガザ侵攻で2250人が死亡したような惨劇が起きかねない。私たちは、イスラエルがただちに攻撃を中止すること、またハマスも武力報復を中止し、停戦することを強く求めるものである。
一、こうした事態が起こる背景には、イスラエルがパレスチナ人の民族自決権を侵害してその土地を奪い、占領し続けていることに起因する長年の紛争がある。イスラエルは07年以降、パレスチナの強硬派ハマスが政権についたパレスチナ自治区ガザ地区の封鎖を続け、ガザ地区の人々は巨大な牢獄のような状況におかれ、困窮にあえいでいる。さらに、イスラエルは入植地を次々と拡大するなど、対立を激化させてきた。
私たちは、パレスチナ問題の解決には、イスラエルが占領地からすみやかに撤退するとともに、パレスチナ人民に対して独立国家樹立を含む民族自決権を尊重すること、イスラエルとパレスチナの双方が相互の生存権の承認と平和的共存の原則のもとに話し合いで解決する立場に立つことが重要だと考える。そして、早急な停戦を実現し、イスラエル・パレスチナ問題を平和的に解決するために、国連をはじめとする国際社会が真剣で抜本的な努力を強めることを求めるものである。