【声明】土地利用規制法案の衆院本会議採決に抗議し廃案を求める

2021/06/01

声明・談話

【声明】
「土地利用規制法案」の衆院本会議での採決に抗議する
――戦争準備のための国民監視・弾圧法案の廃案のために全力をあげよう――


2021年6月1日 日本平和委員会第4回常任理事会

 政府与党と一部野党は、本日、衆院本会議で「土地利用規制法案」の採決を強行した。短時間の審議でも市民の基本的人権を脅かす重大な内容が浮き彫りになり、野党が徹底審議を求めたにもかかわらず、わずか12時間で内閣委員会の質議を打ち切り採決を強行したことに、厳しく抗議する。
 質疑の中で浮き彫りになったのは、「安全保障に寄与する」ことを理由に、米軍・自衛隊基地などの周辺住民を日常から調査・監視し、基地などの「機能を阻害する恐れがある」とみなせば、その土地・建物の利用の中止を求め、命令に応じなければ2年以下の懲役を科すという、国民の基本的人権と平和的生存権をじゅうりんする法案であることである。
 政府は「思想信条に立ち入る調査はしない」と言いながら、土地利用の実態について、公簿だけではわからない場合、必要な調査を関係省庁の協力を得て行うとしている。基地に対する態度や市民活動状況など思想信条に立ち入った調査を、内閣調査室や自衛隊情報保全隊の協力を得て行うことは明らかである。
 しかも、必要があると認めるときは「その他の関係者」に対し報告又は資料の提出を求めることができる」としているが、その「関係者」にも制限がなく、報告や資料の提出を拒否すれば、30万円以下の罰金に処すというのである。
 何が基地等の「機能を阻害する行為」に当たるのかも、全くあいまいである。国会質疑では、基地調査活動や抗議活動は該当しないことを法案に明記すべきとの要求に対し、機能阻害行為は国際情勢によって刻々と変化するため、事例を特定することはできないと、これを拒否し続けた。まさに、政府の恣意的判断で、国民の正当な監視行動や抗議行動が中止命令の対象とされかねないのである。
 かかる基本的人権をじゅうりんする戦前回帰の悪法を、断じて許すわけにはいかない。しかも、審議の中では、この法案の必要性、立法事実を何ら説明することができなかった。
 いまこのような時代錯誤の悪法を強行しようとする背景には、日米軍事同盟強化の下で、前のめりに「戦争する国づくり」をすすめる菅政権の異様な姿勢がある。菅政権は、4月の日米首脳会談・共同声明で「インド太平洋地域の安全保障をいっそう強化するため」に「防衛力を強化する」と米国に約束し、特に、「台湾有事」の際に米軍と共に参戦する態勢づくりをおしすすめようとしている。こうした戦争法にもとづくアメリカと共に戦争する態勢づくりの動きを「阻害する」市民を監視し、弾圧する――それがこの法案のねらいである。
 私たちは、かかる危険極まりない悪法を参議院で必ず廃案に追い込むため、全国の仲間とともに全力を尽くす決意を、ここに表明するものである。

カウンター〈21/06/18-〉

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