【兵庫・芦屋】恒例「平和のわ」
市学芸員を講師に
兵庫県・芦屋平和委員会は5日、「第8回ひろがれあつまれ平和のわ『芦屋の空襲と戦災遺跡から平和を考える』」を開催しました。
芦屋市の「出前講座」を利用し、教育委員会の竹村忠洋学芸員を講師に迎えました。竹村氏は近現代の考古学が専門ですが、遺跡調査で見つけた穴が空襲による爆弾跡であるとの証言を近くの住人から得たことをきっかけに、太平洋戦争に関わる遺構・遺物の調査研究に取り組んでいます。
市内では1945年5月11日、6月5日、6月15日、8月6日の4回の空襲がありました。竹村氏は5月と6月は他市の攻撃の余波だが、8月の空襲は芦屋の市街地も目標とされて焼夷弾攻撃がされ、市街地の3割が被災したと説明。このときの空襲で89人が犠牲となり、4回全体では139人が死亡しました。
竹村氏は参加者の質問に答えて、「近現代を調査対象としているが、太平洋戦争だけは『歴史の出来事』で済ませてはならないと思っている」と述べ、「75年前にあったことが信じられないという人がいるが、それでは今から75年後に『75年前にそんな平和な時代があったのか』ということになりかねない」「当時も平和やデモクラシーが進んでいた時代から戦争へと突き進んだ。今からも戦時体制になることはあり得ると思っておかなければならない」と強調しました。
同平和委員会は閉会あいさつで入会を訴え。参加者から申し出があり、会員が一人増えました。今後、戦災遺跡見学などにも取り組む予定です。
��平和新聞2020年9月25日号)