《声明》
岩国基地への自衛隊オスプレイの陸揚げ強行に抗議し、木更津基地への配備の中止を求める
―自衛隊オスプレイ導入計画を全面中止し、その予算をコロナ対策に回せ―
��020年5月9日 日本平和委員会
5月8日、陸上自衛隊木更津駐屯地(千葉県木更津市)に配備がねらわれる輸送機オスプレイ2機を載せた米本土からの輸送船が米軍岩国基地(山口県岩国市)に到着し、陸揚げが強行された。今後、米本土から派遣された米側要員が同基地で点検整備や試験飛行を行い、木更津駐屯地に向かう予定とされている。
米軍内で新型コロナウイルス感染が広がり、移動禁止措置が続く中での米軍関係要員の岩国基地入りに、市民の不安が高まっている。また、住民投票を力にする会など周辺住民は、同基地での欠陥機オスプレイの試験飛行等が基地の機能強化につながり、市民を危険にさらすとして、中止を求めてきた。こうした市民の声を無視した陸揚げの強行に抗議する。また、同基地での試験飛行も中止すべきである。
今後、木更津駐屯地への配備強行がねらわれているが、これは断じて許されない。そもそもオスプレイは、墜落と事故をくりかえし、「空飛ぶ欠陥機」「空飛ぶ棺桶」とも指摘される危険な機体である。オートローテーション機能を持っていないなど、国内法では飛行が認められない機体である。しかもそれは、米海兵隊、自衛隊「水陸機動団」と一体の「殴り込み作戦」に運用されるものであり、憲法9条と相容れない。これを木更津駐屯地であれ、佐賀空港であれ、日本のどこにも配備することは許されない。
政府・防衛省は木更津駐屯地への配備は「開始から5年以内を目標」とする「暫定配備」だなどと称している。しかし、そもそもの配備予定地である佐賀空港は、地権者である漁民の命と生活をかけた断固拒否のたたかいが立ちはだかり、基地建設の見通しは全く立っていない。木更津への「暫定配備」は全く根拠がなく、事実上の「恒久配備」の押し付けになることは明らかである。市民を偽り、木更津市民の求める「オスプレイの恒久基地化反対」の願いに背く配備の強行は、断じて許すことができない。その配備は、米軍オスプレイと相まって、木更津市、千葉県のみならず、首都圏、関東一円、全国での危険な飛行訓練をもたらし、国民に深刻な被害をもたらすことは必至である。
私たちは改めて、木更津駐屯地への自衛隊オスプレイ配備の中止を、断固求めるものである。そして、自衛隊のオスプレイ計画を全面的に中止し、その経費を新型コロナ対策や国民生活支援に振り向けることを求めるものである。
地元木更津市では、広範な市民が参加する「オスプレイ来るな! いらない住民の会」が、「オスプレイの木更津基地暫定配備の撤回を求める要請」署名を訴えている。私たちはこうした市民の運動と固く連帯し、自衛隊オスプレイの木更津配備阻止の運動を強化する決意を、ここに改めて表明するものである。