《声明》検察庁法改悪あの今国会成立断念決定にあたって

2020/05/18

声明・談話

《声明》

検察庁法改定案の今国会成立断念決定にあたって
――国民世論の画期的な成果に確信を持ち、検察幹部の
定年延長特例の撤回と黒川氏の定年延長閣議決定の撤回を求める――


2020年5月19日 日本平和委員会

 一、安倍政権と自民・公明与党は、強行をもくろんでいた、特定の検察幹部の定年を内閣の意向で特例的に延長することを可能にする検察庁法改定案の今国会採決を断念した。これは、「#検察庁法改正案に抗議します」のツイッターが1000万規模に拡大したのをはじめ、圧倒的な国民の反対世論に追いつめられた結果である。反対の声は、著名な文化人、芸能人にまで広がり、元検事総長ら検察OBも公然と声をあげ、圧倒的多数の弁護士会も反対を表明した。直近のNHK世論調査では反対が62%、賛成が17%となった。正論が世論を動かし、世論が政治を動かす――このことが鮮やかに示された、国民と民主主義の画期的成果である。

 一、改定案は、検察官の定年年齢を65歳に引き上げ、63歳からは役職につかない(役職定年)としつつ、特例として、内閣が認めるときには、63歳を超えて検事長や次長検事などのまま勤務できるとするものである。それは、私たちが抗議声明で指摘してきたように、「内閣が検察人事に介入できるようにするものであり、司法の独立、検察の独立の原則を踏みにじる、違憲の法案」である。松尾邦弘元検事総長はじめ検察OBの反対意見書も、「検察の人事に政治権力が介入することを正当化し、政権の意に沿わない検察の動きを封じ込め、検察の力をそぐことを意図している」と厳しく批判している。このような特例規定はただちに撤回すべきである。
 またこれが、「桜を見る会」問題などで首相を刑事告発する動きが強まる中で、「政権に近い」とされる黒川弘務東京高検検事長の定年延長を勝手に法の解釈を変えて閣議決定したことを「合法化」するものであることも、国会審議でいよいよ明確になった。この閣議決定についても、検察OBの反対意見書は、「本来国会の権限である法律改正の手続きを経ずに内閣による解釈だけで法律の解釈運用を変更したという宣言であって、…『朕は国家である』との中世の亡霊のような言葉をほうふつとさせるような姿勢であり、近代国家の基本理念である三権分立主義の否定にもつながりかねない危険性を含んでいる」と厳しく批判している。この黒川検事長の定年延長の閣議決定もただちに撤回すべきである。

 一、私たちは、この画期的成果に確信を持ち、検察幹部の定年延長特例の撤回と黒川氏の定年延長閣議決定の撤回を実現するために、力を緩めずたたかう決意を表明する。いま、新型コロナウイルス感染問題で命と健康、生活が脅かされている広範な人々が、政治への関心を強め、命と人権を守るために自ら声を上げ始めている。広範な人々と力を合わせ、市民と野党の共闘を発展させ、憲法を踏みにじり続け、憲法改悪をもくろむ安倍政権を一刻も早く退場に追い込むため、奮闘する決意を表明する。

カウンター〈21/06/18-〉

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