≪声明≫中国政府は香港での人権侵害を中止せよ

2020/05/27

声明・談話

≪声明≫
中国政府・香港当局は香港市民への人権侵害を中止せよ
――国際的な人権保障取り決めの遵守と平和的民主的解決を求める――


2020年5月26日 日本平和委員会

 中国全国人民代表大会で香港に国家安全法制を導入することに抗議する香港市民の大規模なデモに対し、警察による暴力的排除が横行している。同案に対しては、市民から「香港の暗黒の第一歩になる」との声があげられているように、国際的約束である「一国二制度」の原則を踏みにじり、「国家分裂」や「政権転覆」、「組織的なテロ」、「外国や国外勢力による香港への干渉」などを名目に、言論、表現、報道、出版の自由を中国政府が乗り出して厳しく弾圧する道を開く危険がある。「中国本土のように人権と民主主義が抑圧される」と、香港市民が抗議の声をあげるのは当然である。表現の自由と平和的集会の権利は、国際的な人権保障の基準でも明確に認められている権利であり、これに対する香港政府の抑圧的措置、及びこれを全面的に支持し、武力による威嚇を行っている中国政府の対応は、断じて許されない。
 人権を擁護し発展させることは、今や国際的な課題となっている。そして人権を守ることと平和を守る課題は不可分一体の問題である。それは、ファシズムと軍国主義による人権の蹂躙が、未曽有の犠牲を生んだ第二次世界大戦に道を開いたことから引き出された痛苦の教訓である。世界人権宣言も「人類社会の全ての構成員の固有の尊厳及び平等で奪い得ない権利を認めることが世界における自由、正義及び平和の基礎をなすものである」と、人権擁護と平和実現が不可分のものであることを強調している。また、日本国憲法前文は「われらは平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ」とうたっている。
 私たちは、この人権尊重を求める平和運動の立場から、中国政府および香港当局に対し、世界人権宣言、国際人権規約、ウィーン宣言など国際的な人権保障の取り決めに従い、香港における人権侵害の動きをただちに中止することを求めるものである。また、紛争の平和的解決を原則とする国連憲章の立場に立って、香港問題の平和的、民主的解決を求めるものである。

カウンター〈21/06/18-〉

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