【秋田】
イージス・アショア住民説明会紛糾
「適地」判断に疑問・撤回を求める声続出
政府が秋田市に配備する計画の新型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」をめぐり8日、9日、10日と防衛省の住民説明会が開かれました。職員の「居眠り」が問題となった8日の説明会に参加した、平和委員会会員で地元住民の高坂昭一さんに、当日の様子を報告していただきました。
新屋演習場の代替地調査で、説明資料に重大な誤りのある事が魁紙の指摘で発覚、これをめぐり説明会は冒頭から紛糾しました。
午後3時、約120人が参加した説明会の会場は緊張感ではり詰めた空気。司会者が開会を告げ、誤りのある報告説明に移ろうとした冒頭、私は「議事進行について意見があります」と声を上げ、発言を求めました。司会者は戸惑いながらも私にマイクをわたしました。
「今回の説明会は、報告内容に重大な誤りがあり、説明会を開く条件が失われている。説明は行わず休会とし、説明は精査の上次回に回したらどうか。休憩を取って相談し結論を出してほしい」、と次の理由を挙げました。
①防衛大臣もきのう7日の国会で「もう一度精査し改めて説明したい」と述べている。②秋田県知事も秋田市長も、説明資料全体の信頼性が失われる重大な事案で、防衛省に対し精査し再説明の場を設けるよう求めている
これに対し、説明責任者の防衛省五味戦略企画課長が一方的に説明を強行。会場は説明延期を求める声や、抗議、怒りの声が渦巻き、騒然とした状態になりました。説明でデータミスについて謝りはしたものの、約一時間一方的にしゃべり続けました。質議質疑に入った直後に起きたのが「居眠り発言」です。新屋演習場に近い松美町にすむこの男性。説明をしている間中ずっと手を上げ続け抗議の姿勢を示していましたが、指名されると、発言は資料のミスや、防衛省の職員の態度にもおよびました。「後の席のあなた」と指差し、「あなた! 居眠りしていましたね。何を考えているんだ、我々は人生がかかっているんだぞ」と語気鋭く追及しました。この映像が全国のテレビで放送されたため、国会で防衛大臣が謝罪、精査、再説明に追い込まれています。
そのほか、この日の説明会は「適地」判断について疑問・撤回を求める声が相次ぎ、住民の理解、納得にはほど遠い状態で終了となりました。(秋田県平和委員会)