≪声明≫
シナイ半島多国籍軍への自衛隊員派遣決定に抗議し、中止を求める
2019年4月3日 日本平和委員会
安倍政権は4月2日の閣議で、エジプト東部のシナイ半島で同国軍とイスラエル軍の停戦維持を監視している「多国籍監視軍(MFO)」の司令部要員として、陸上自衛隊の幹部自衛官2名を派遣する実施計画を決定し、4月19日から派遣しようとしている。これは、安倍政権の下で強行された憲法違反の安保法制=戦争法施行で可能になった「国際連携平和安全活動」の初適用となるものである。
そもそも、日本国憲法9条の下では、海外の軍事活動に日本が参加することは、いかなる場合でも認められない。しかも、戦争法では、個別的自衛権のみ行使できるとしてきた従来の政府見解さえ踏み破って、集団的自衛権行使も可能にし、さらに、「国際連携平和安全活動」の名で、国連の統括しない多国籍軍(有志連合)の活動にも自衛隊が参加する道を開き、「安全確保活動」(治安維持活動)や他国軍防護の「駆けつけ警護」での武器使用を可能にした。このような二重にも三重にも憲法違反の軍事活動に踏み込んでいくのが、今回の派遣である。それは、イラクやアフガニスタンなどで行われたアメリカ主導の多国籍軍への自衛隊参加へと道を開くものであり、断じて許されない。
私たちは、かかる憲法違反の自衛隊海外派遣に抗議し、その中止を求めるものである。日本が進むべきは、憲法9条にもとづく積極的な平和外交による国際貢献の道である。