≪要請文≫トランプ大統領との会談に当たっての安倍首相へ

2017/10/30

声明・談話

≪要請文≫
内閣総理大臣・安倍晋三殿

トランプ米大統領との首脳会談に際し、「あらゆる選択肢」支持の態度を改め、平和的解決を求める立場で臨むことを求める

2017年10月30日 日本平和委員会

 11月5日にトランプ米大統領が訪日し、日米首脳会談が開かれる。この首脳会談では、北朝鮮の核・ミサイル開発問題への対応が主要議題として話し合われ、貴職はトランプ大統領のとっている「あらゆる選択肢がテーブルにある」との立場への支持を改めて表明すると報じられている。これは極めて危険な態度表明であり、私たちはその姿勢を改めることを求めるものである。
 この「選択肢」の中には先制攻撃も含む軍事的選択肢が含まれている。先の総選挙での党首討論会で貴職は、米国による先制攻撃に反対すべきとの志位和夫日本共産党委員長の問いに、反対する立場を表明しなかった。さらにその発言の中で、「大量破壊兵器の開発」を理由にイラクに無法な先制攻撃を行う背景となった、当時のブッシュ大統領の「悪の枢軸」論を評価さえした。
 そもそも先制攻撃は国際法違反であり、容認すべきではない。もし、北朝鮮に対する先制攻撃が強行されれば、核戦争に発展しかねない破滅的戦争となることは必至である。日米首脳会談で貴職がやるべきは、トランプ大統領に対し、先制攻撃に反対する立場を明確に表明することである。そして、この問題の平和的解決を実現するためにも、偶発的軍事衝突を防ぐためにも、米朝間の無条件の直接対話に踏み出すことを強く求めるべきである。
軍事緊張を高める、在日米軍基地を拠点とした軍事威嚇や、戦争法にもとづく米軍への護衛・補給活動、事実上の軍事威嚇への加担となっている日米共同訓練を中止すべきである。
 根本的には、核兵器禁止・廃絶を実現すれば、今のような危機は起こることはない。被爆国日本の代表として貴職が本来やるべきことは、貴政権が反対している核兵器禁止条約に署名・批准し、トランプ大統領にも条約への加入を求め、その立場で北朝鮮にも核開発の放棄を求めることである。
 私たちは、以上の立場で日米首脳会談に臨むことを、貴職に強く求めるものである。

カウンター〈21/06/18-〉

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