核兵器禁止条約の採択を心から歓迎する
2017年7月8日 日本平和委員会
一、本日(現地時間7月7日)、国連本部で開かれていた核兵器禁止条約国連会議で、核兵器禁止条約が122カ国の賛成で採択された。これは、長年にわたり核兵器の禁止・廃絶を求めてきた、被爆者を先頭とする日本と世界の反核平和運動の努力が結実したものであり、全面的な核兵器廃絶に向けた歴史的な一歩である。私たちはこの実現のために尽力された、広島・長崎の被爆者、世界の核実験被害者、各国市民運動、国際人道団体、諸国政府などの献身的努力に、心からの敬意を表明する。
一、条約は、交渉会議での徹底した民主的で真剣な議論を通じていっそう豊かで明確な内容に練り上げられた。それは、核兵器使用の非人道性、違法性を明確にし、核兵器の開発、生産、製造、保有、貯蔵、実験(爆発)、譲渡や他国からの取得、使用と使用の威嚇、領土内への他国の核の配置や配備のすべてを禁止している。さらに、これらの行為をいかなる形でも援助、奨励、勧誘することも禁止された。そして、核保有国が条約に加入した上で保有核兵器を解体していく道筋も定め、核保有国の加入にも道を開いている。
これによって、核兵器は国際法上違法な存在となった。核兵器にしがみつき続け、核兵器を威嚇の道具としてふりかざす国々、またそれに加担する国々は、この条約に照らして国際法違反の烙印を押されることになった。これは、核兵器にしがみつく勢力を追いつめる巨大な力となるものである。
一、この巨大な成果の上に今後求められるのは、核兵器保有国とそれに追随する国々をこの条約に加入させ、核兵器廃絶へと道を開くことにある。とりわけ、この交渉会議をボイコットし、禁止条約の策定に反対する許しがたい態度をとってきた日本政府・安倍政権の姿勢を厳しく批判し、その政策を転換させ、一刻も早くこの条約に加入する政府をつくることが、被爆国日本国民に課せられた最大の責務となっている。
私たちは、核兵器禁止・廃絶を求める「ヒバクシャ国際署名」を圧倒的多数の人々に広げ、安倍政権に禁止条約加入を強く求めていく活動に全力をあげるものである。そして、世界の諸国民、諸国政府とともに、この条約にすべての国が加入することを求め、核兵器のない世界を一刻も早く実現するために全力を尽くす決意を、ここに表明するものである。