統幕長 改憲に賛意
撤回求め防衛相に抗議
防衛省の河野克俊統合幕僚長は５月23日の外国人特派員協会での会見で、安倍晋三首相が自衛隊の存在を憲法第９条に明記する改憲案に言及したことについて、「一自衛官として申し上げるなら、自衛隊の根拠規定が憲法に明記されるのであれば非常にありがたいと思う」と賛意を表明しました。
これに対して日本平和委員会は29日、東京・市ヶ谷の防衛省を訪れ、統幕長の発言撤回と辞任を求めました。
代表理事の岸松江弁護士と千坂純事務局長、埼玉、東京、神奈川の各代表は、河野統幕長が「安倍改憲案」への賛意を表明したことは、公務員の憲法尊重擁護義務を定めた憲法第99条に違反しているとして、ただちに発言を撤回するよう要求。撤回を拒否するなら辞任することを強く求めました。
これに対して防衛省の担当者は、「個人としての感想を述べたもので問題ない」との返答に終始しました。
千坂事務局長は、「河野氏は、記者会見という公的な場で『申し上げるのは適当ではない』と言いながら、『一自衛官として』という形で改憲支持発言を行った。『適当でない』なら『コメントを差し控える』のが普通ではないか。まさに確信犯的な憲法尊重擁護義務違反の発言だ。こんなことが許されるなら、各地で自衛隊幹部が『個人的感想』と改憲支持発言をすることが許されることになる」と厳しく批判しました。
