≪声明≫
自衛隊統合幕僚長・河野克俊殿
河野克俊統合幕僚長の安倍首相改憲支持発言に抗議し、撤回を求める
2017年5月24日 日本平和委員会
河野克俊統合幕僚長は23日、日本外国特派員協会で記者会見し、安倍晋三首相が表明した憲法9条に加えて自衛隊の存在を明記するとした改憲発言について、「一自衛官として申し上げるならば」と言いながら「自衛隊の根拠規定が憲法に明記されることになれば非常にありがたい」と述べた。
統合幕僚長は自衛隊法9条2項に示すように、自衛官の最高の地位にある。その言動は「一自衛官」などと言っても通用するものではない。
これは、最も厳格に政治的中立性を守らなければならない巨大な武力組織・自衛隊のトップが、公務員の憲法尊重擁護義務を定めた憲法99条に違反し、自衛隊の海外での無制限の武力行使を合憲化する安倍首相の9条改憲案を支持する発言を行ったものであり、文民統制を逸脱した、軍部による憲法破壊の暴走そのものである。
憲法尊重擁護義務違反の安倍首相と自衛隊高級幹部が結託して、海外での無制限の武力行使に道を開く憲法改悪をおしすすめる――先の大戦における軍部独走の痛苦の教訓を忘れた、このような策謀を許すわけにはいかない。
しかも、河野克俊統合幕僚長は、2014年にも、米軍高官との会談の中で、「安保法制成立の時期の見通し」や「辺野古新基地推進」「沖縄基地の日米共同使用」などの政治的発言をし、2015年9月の参院特別委員会で追及されているという前歴がある。私たちは、貴職がただちに発言を撤回することを強く求めるものである。