≪声明≫
米軍F35B戦闘機の岩国基地への配備に抗議する
2017年1月19日 日本平和委員会
米海兵隊は1月18日、F35Bステルス戦闘機の岩国基地(山口県)への配備を強行した。1月中に10機、8月までに16機配備が予定されている。地元岩国市には、政府からは直前に飛来の連絡があっただけである。政府の態度の根源には、2015年4月27日の日米安保協議会共同発表がある。そこでは岩国へのF35B配備について、日本政府はすでに「歓迎する」と明記している。このような日米軍事同盟下の日本政府の屈辱的態度に、私たちは厳しく抗議する。
F35は、米軍が次世代の主力戦闘機として位置付け、敵レーダーに捕捉されにくいステルス性、先制攻撃・敵基地攻撃能力を有し、将来的にB61-12核爆弾を搭載する能力を持つ。海兵隊仕様の短距離離陸・垂直離着陸可能なF35Bの海外配備は、岩国基地が初めてとなる。さらに、米海軍佐世保基地(長崎県)にF35B搭載可能な強襲揚陸艦ワスプを今秋配備予定であり、強襲揚陸艦に積載して世界各地に「殴り込み」作戦をすすめる侵略的能力を強化するものである。
F35の爆音は、120デシベルの激烈なものだと指摘されているが、米国では行われている環境影響評価が岩国では一切行われず、配備が強行された。それが岩国市民とその周辺の住民に深刻な被害をもたらすことは必至である。
岩国基地ではこの配備に続き、2月から米空母艦載機のE2Ⅾ早期警戒機を先行移駐して訓練を開始し、10月から厚木基地の米空母艦載機移転が本格的に推進され、130機が常駐する東アジア最大の航空基地として強化されようとしている。それは岩国基地を海兵隊と空母という米軍の2つの「殴り込み部隊」の一大出撃拠点とする、侵略的な大増強であり、低空飛行訓練をはじめ周辺住民に耐えがたい深刻な被害をもたらすものである。私たちは、岩国市民、山口県民とともに、この大増強の第一歩であるF35B配備に抗議し、その撤去を求め、艦載機移転の中止を求めるものである。
さらにこのF35Bの配備に伴って、沖縄では嘉手納基地への格納庫・駐機場の整備、伊江島での離着陸訓練場の拡張、沖縄本島北部訓練空域の拡大が推進されている。さらに、IHI瑞穂工場(東京)、三菱重工小牧南工場(愛知)へのF35整備拠点設置に伴い、横田基地、小牧基地への飛来も予想される。まさに、岩国へのF35B配備は、沖縄・全国の基地強化と結びついている。
私たちは、沖縄・全国の人々とともに力を合わせ、F35配備と基地強化に反対する世論と運動を高める決意を、ここに表明するものである。