【岩手・釜石市】戦災資料館再建を
復興の象徴に 釜石市平和委が市へ要請
岩手県の釜石市平和委員会は、釜石地方労連などともに8月8日、東日本大震災の津波で全壊、流失した同市の艦砲戦災資料館の再建などを市へ要請しました。資料館は同平和委員会の長年の要請によって去年8月に開館したもの。市営ビルの1階に設置した資料館は、津波で貴重な資料もすべて流失しました。
同平和委員会の前川慧一会長は「資料館の再建を復興の象徴として位置付け、市の復興計画に組み入れてほしい」と求めました。この他、戦争犠牲者と今回の津波犠牲者の追悼碑の建立、戦争遺跡の保存と標識の整備、非核平和都市宣言の看板設置を要請しました。
野田武則市長は、「艦砲射撃犠牲者の名簿調査を進めていただけに、資料館の流失は非常に残念。将来的には別の場所に再建することを検討したい」と答えました。
前川さんは自身も自宅を失い、現在仮設住宅で暮らしています。
「被災して平和のことには頭が回らないと言う人もいます。しかし戦災も震災も、その後廃墟となった悲しみは同じように深い。市民はこれを乗り越えてきた。今後全国にも呼びかけ、資料館の復活運動をできないかと考えています」
��平和新聞2011年10月5日号)