【宮城】女川原発巡り・学習会
「放射能におびえる社会残さない」
宮城県平和委員会は8月2日、「女川原子力発電所めぐり」を18人で行いました。この企画は、毎月行ってきた「基地・戦跡ウォーク」の予定が大震災で延期していたものですが、皆さんの要望で再開できました。
女川町の被災状況を視察し、参加者は「テレビや新聞で見てはいたが、現地のすごさに衝撃を受けた」と口々に話しました。
女川町内の小屋取漁港から原発建屋を見学。「原発の隣に集落があるのにはビックリした」、「ここへよく釣りに来ていたが、釣ったカレイの背骨が曲がっていたのにはビックリ、友人から『放射能の影響ではないの』と言われたことがあるよ」と話す人もいました。
女川町の集会所では「日本の将来のために、子どもたちの未来のために!」と題し勉強会。高野博女川町議は、「敷地の高さ14・8㍍にあった女川原発は13㍍の津波に襲われた。それでも2号機の原子炉建屋地下3階では1900㌧の海水が入り、1号機では火災が発生した」と話していました。
同県平和委の小林立雄常任理事が津波直後の女川原発の実態について報告、本田勝利常任理事が原発の構造や放射能被害について講義しました。「女川原発の1~3号機は地震後、外部電源5系統のうち4系統が遮断され、残った1系統で原子炉を冷却。4月7日の余震でも4系統のうち3系統が遮断された。発電機などを冷却する『熱交換器』が海水に浸かったため、非常用ディーゼル発電機2機が使用できなくなり、原子炉冷却ができなくなる一歩手前にまでなった」との報告もありました。
参加者は「来てよかった。放射能についてもっと勉強したい」と感想を寄せました。女川には原発の恩恵を受けている人もいます。その人たちとともに、「放射能におびえる社会を後世に残さない」運動を推進していくことを確認し合いました。(熊谷)
��平和新聞2011年9月15日号より)