参議院選挙の結果について(談話)
2025年7月22日 日本平和委員会事務局長・千坂 純
一、7月20日投開票で行われた参議院選挙で、憲法を無視して大軍拡をおしすすめ、暮らしと平和を破壊してきた石破政権与党の自民・公明両党は大幅に議席を減らし、衆議院に続き、参議院でも与党過半数割れという状況に追い込まれた。衆参両院で与党過半数割れとなるのは、自民党結党以来初めての事態である。ここには、自公政権の政治を変えたいという、広範な市民の強い意志が示されている。こうした結果を生み出す上で、1人区での野党共闘も重要な役割を果たした。沖縄では、「オール沖縄」の高良さちか氏が勝利し、知事選を含む全県選挙では「オール沖縄」の7連勝となり、名護市辺野古の米軍新基地建設や沖縄の軍事要塞化に反対する強固な意志が、改めて示された。
一、同時に、今回の選挙で、「核抑止力」強化・憲法改悪・日米軍事同盟強化・大軍拡の路線では自公政権と何ら変わらない勢力、国民主権や基本的人権を敵視し、女性の尊厳を踏みにじり、戦前の治安維持法を賛美し、核武装や核共有を公然と唱える勢力、外国人を敵視し、差別と排外主義的主張を唱える勢力が伸長したことは重大である。これらの勢力が自民党と協力し、さらに危険な日米軍事同盟強化・大軍拡・戦争国家づくり、排外主義的政策をおしすすめる危険は軽視できない。排外主義と民族差別が侵略戦争と植民地支配の土壌となったことは歴史の教訓である。この動きを断じて許してはならない。私たちはこうした動きを厳しく監視し許さないために、市民の運動をいっそう強めなければならない。
一、衆参で自公過半数割れという新たな条件を活かし、平和の要求を実現するためにも、自公政権と補完勢力との連携を許さないためにも、決定的に重要なのは、草の根からの市民運動の強化と拡大である。核兵器禁止条約への参加と憲法に基づく平和外交を求め、日米軍事同盟と大軍拡・戦争国家づくりに反対する日本平和委員会の役割は極めて大きい。その活動を強化し、仲間の輪を広げることが、いま強く求められている。参議院選挙後の新たな情勢を踏まえ、草の根からの平和運動を8月の被爆80年・原水爆禁止世界大会、10月25・26日に愛知県名古屋市で開かれる「なくそう!日米軍事同盟・米軍基地2025年日本平和大会」に向けて大きく広げ、平和への新たな展望を切り開くため、全力を挙げることを呼びかける。