【声明】 ハマスとイスラエル双方に武力行使の中止を求める

2023/10/10

声明・談話

ハマスとイスラエルの双方に武力行使の中止を求める
暴力の悪循環を止め、パレスチナ問題の根本的解決のため国際社会は抜本的努力を

2023年10月11日 日本平和委員会

 
 一、パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するハマスが10月7日、イスラエルに対する数千発のロケット弾攻撃と地上での戦闘を開始し、民間人を中心にすでに900人を超す死者と多数の負傷者を生み出している。拘束された人質も民間人を中心に130人を超すとされる。これに対し、イスラエルも民間地などへの激しい空爆を行い、ガザ地区の市民830人以上が死亡、多数の負傷者を生み出している。そして、ガザ地区への水道や電力の供給を停止し、完全に封鎖。「ハマスを壊滅させる」(ネタニアフ首相)と、過去最大の30万人の予備役兵を動員し、ガザ地区への「総攻撃」(ガラント国防相)へと踏み出そうとしている。
 ハマスの無差別攻撃と民間人連行は、いかなる理由があっても許されない国際人道法違反の行為である。同時に、イスラエルの無差別攻撃や「生存に不可欠な物資を奪うことにより市民の生命を危険にさらす包囲」(国連人権高等弁務官事務所ボルカー・ターク高等弁務官)もまた国際人道法に違反する行為であり、断じて許されない。このまま暴力の連鎖が続けば、非人道的被害を深刻化させるばかりである。
 私たちは双方に対し、ただちに暴力の応酬、武力行使の中止を求めるものである。
 
 一、この事態の中で、アメリカのバイデン大統領は、イスラエルに対する全面的支持を表明し、空母「ジェラルド・フォード」を中心にした空母打撃群を東地中海に展開している。イランはハマス支持を表明し、軍事支援を行っているとも指摘されている。関係国と国際社会は、暴力の連鎖を拡大する軍事支援ではなく、双方に武力行使を停止させるための努力に全力をあげるべきである。

 一、今日の事態の根底には、イスラエルが国連諸決議に反してパレスチナを占領し続け、国際法違反の入植地拡大を続け、住民の強制排除を行い、ガザ地区には封鎖と空爆や侵攻をくり返してきたという問題がある。この中でガザ地区では経済状況が悪化し、失業率は60%を超え、人々は困窮にあえいでいる。
 日本平和委員会は、かねてより、パレスチナ問題の解決には、イスラエルが占領地区から速やかに撤退すると共に、パレスチナ人民に対して国家の樹立を含む民族自決権を尊重すること、パレスチナとイスラエルの双方が相手の生存権の承認と平和的共存の原則の下に話し合いで解決する立場に立つことが重要であると主張してきた。私たちは、早急な停戦実現を求める共に、半世紀以上にわたるイスラエル・パレスチナ問題を解決するために、国連をはじめ国際社会が、真剣で、抜本的な努力を開始することを改めて強く訴えるものである。

カウンター〈21/06/18-〉

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