沖縄県知事の辺野古米軍新基地設計変更不承認を支持し、政府に対し建設の即時全面中止と計画の撤回を求める
2021年11月26日 日本平和委員会
沖縄県の玉城デニー知事は、11月25日、名護市辺野古の米軍新基地建設をめぐり、防衛省沖縄防衛局が昨年4月に提出していた設計変更申請を不承認とする決定を行った。
この申請について県は昨年来、公有水面埋立法に基づき、防衛局にのべ39項目、452件の質問を行う等、厳密な審査を実施。▶軟弱地盤が最深90mに達するB27地点を念頭に、地盤の安定性などに関わる設計に関して、最も重要な地点において必要な調査が実施されておらず、地盤の安定性が十分に検討されていない。▶絶滅危惧種ジュゴンに与える影響について、工事に伴う水中音の調査が行われておらず、地盤改良による海底地盤の最大14mの盛り上がりが環境に及ぼす影響について、情報が適切に収集されていない。▶改良工事後の地盤の安定性についての根拠が示されておらず、新基地そのものが安定的に建設されるか不透明であり、「普天間基地の危険性除去」のために新基地をつくるという「必要性」について合理性がないと判断。不承認の決定を下した。玉城知事は発表の会見で、新基地建設の埋め立てに沖縄戦犠牲者の遺骨が眠る沖縄本島南部の土砂を使用する計画は「人道上許されるはずがない」と批判。新基地埋め立て工事は「すべて中止すべき」だと訴えた。
私たちはこの決定を断固として支持する。そもそも、この計画は沖縄県民の「建白書」に示された、普天間基地の閉鎖・撤去、新基地建設反対の総意を乱暴に踏みにじって強行されてきた、民主主義じゅうりんの暴挙である。県民の7割が反対の意思を示した県民投票や県知事選挙はじめ、県民は幾度となく反対の意思を示してきた。2018年8月には、当時の翁長知事が埋め立て承認撤回を決定したにもかかわらず、政府は法を捻じ曲げ、司法を動員して、建設を強行してきたのである。今回の決定によって、この計画の不当性が改めて明らかになった。この計画は、米軍の侵略拠点基地をつくるために、環境を徹底的に破壊し、しかも完成の見通しもない、国民の莫大な血税2・5兆円超を浪費するだけで、普天間基地周辺の市民の命を永遠に危険にさらし続ける、無意味・無謀な破綻した計画である。
私たちは、今回の沖縄県の決定を受け、日本政府に対し、ただちに一切の建設工事を中止すること、そしてこの計画を全面的に撤回することを求めるものである。同時に、この間のオスプレイの水筒落下事件に見られるように、県民の命を脅かし続ける普天間基地を即時運用停止し、無条件に閉鎖・撤去することを求めるものである。
私たちは、この要求を実現するために、沖縄県民と共に全国津々浦々で声をあげることを呼びかける。また、来年1月23日投票の名護市長選挙で、辺野古新基地建設中止を求める市長を誕生させるため、全国的支援を強めることを呼びかけるものである。
