千葉県・市川市平和委員会準備会は8月24日、同市議会が1984年に可決した核兵器廃絶平和都市宣言について、成立の経過を学ぶ集いを市内公民館で開催しました。約30人が参加しました。
市川市には同宣言を周知するための塔が市役所の敷地に建てられていましたが、庁舎の建て替えに伴って今年撤去されました。市側は電光掲示板で流していると言いますが目に留まりにくく、また維持を求める市民の要望に答えず一方的に撤去したことに怒りの声が上がっています。
講師の新村トシさんは、非核平和都市宣言の実現のため署名運動を提起した矢先、議会で全会一致採択されたことを紹介。宣言採択を受けて市は宣言塔を建てたほか、平和行政に熱心に取り組み、また市民の側からも資材購入を求め、応じてもらったことなどを振り返りました。
参加者は「市民運動が議会と市長を動かした。宣言塔の撤去は、議会で決めたことを行政が勝手に葬ったのに等しい。再建を求めたい」などと討議しました。
平和委員会準備会が発足したので入会したという参加者は、「市内にはいろんな運動があるが、平和委員会には平和運動を推進する塊になってほしい」と期待を寄せました。
被爆者の児玉三智子さんは、市川被爆者の会として宣言塔の維持を求めてきた経過を紹介、「平和を願う市川市であることを、運動が形にさせた。その証を残したい」と話しました。