≪声明≫
陸自と米海兵隊による辺野古新基地への水陸機動団常駐秘密合意
日米一体の出撃拠点づくりに抗議し辺野古新基地建設計画の即時中止・撤回を求める
2021年1月26日 日本平和委員会
沖縄タイムスと共同通信の共同取材によると、沖縄県辺野古の米海兵隊キャンプ・シュワブ基地に、陸上自衛隊水陸機動団を常駐させることで、陸上自衛隊(陸上幕僚監部)と米海兵隊が2015年に秘密合意していたことが明らかとなった。政府はこれを認識しつつも、これが表面化した場合の沖縄県民のいっそうの批判を恐れて、計画の正式決定を一時凍結していると報じられている。報道によれば、これは、当時の岩田清文陸幕長とニコルソン在日海兵隊司令官の間で合意し、その後、両者が調整し、陸自施設の計画図案や給排水計画を作成、「関係者に提示」したという。「計画は正式決定されていないだけで、陸自の他に内局や沖縄防衛局が関与した。日本政府関係者によると、在日米海兵隊は米本国政府にも了承を得たうえで合意している」ということである。
これまで政府は、「取り扱い厳重注意」と記された防衛省統合幕僚監部防衛計画部の資料(2012年)に「陸自普通科連隊などの配置など、共同使用の拡大を検討」と明記されていることを示した日本共産党の穀田恵二衆議院議員による追及(2015年3月3日、衆院予算委員会)に、「恒常的な共同使用は考えていない」(中谷防衛相=当時)、「(構想を)まったく考えていない」(安倍首相=当時)などと答弁していた。現政権の岸信夫防衛大臣も、26日、「キャンプ・シュワブの共同使用により、水陸機動団を配備するということは考えておりません」と述べている。
しかし、今回明らかになった事実によれば、このような説明をよそに、日米の「軍」トップが合意し、その具体化を推進してきているということであり、文民統制を根本から揺るがす大問題と言わねばならない。ただちに一切の作業を全面的に中止し、真相を明らかにすべきである。
そもそも辺野古新基地建設計画に対しては、沖縄県民は幾度となく反対の意思を明示し続けてきた。そして今や、建設予定地に広がる軟弱地盤のため政府は設計変更申請を余儀なくされ、建設の見通しさえ立てられない事態に追い込まれている。このような計画は、ただちに全面的に中止・撤回するしかない。
加えて今回明らかになった事実によって、この新基地建設計画が単なる「普天間基地の移設」ではなく、日米の殴り込み部隊が一体化し、軍港や弾薬庫も備えた日米共同の一大出撃拠点基地を建設する計画であることが、改めて浮き彫りになった。それは海外でアメリカと共に戦争する体制をつくる、憲法違反の重大な計画であり、県民にいっそうの基地被害と戦争の危険を与えることは明らかである。
私たちは、沖縄県民と共に、ここに改めて辺野古新基地建設計画の断念と撤回を断固として要求するものである。