【神奈川】
米軍に囲まれ生活 「存在認められてない」
神奈川県平和委員会理事会は12月23日、横浜市の米軍根岸住宅に囲まれ不自由な生活を強いられる佐治実さん、みどりさん夫妻から、暮らしの実態や米軍の対応について聞きました。
夫妻の家はみどりさんの祖父の代に構えたものです。戦後周囲を米軍住宅として接収されましたが、佐治さんの家など一部が飛び地状態で残されました。宅配便車両の通行のほか、救急車を呼ぶにも米軍の許可が必要です。土地の活用も禁じられています。南関東防衛局や横浜市基地対策課は米軍のことだからとまともに取り合わず、夫妻は自力で米軍との交渉を余儀なくされてきました。実さんは「存在が認められていないと感じた」と言います。
夫妻は国に損害賠償を求めて横浜地裁に提訴しましたが、地裁は棄却。東京高裁に提訴し、審理1回のみを経て判決が3月5日に迫っています。
南関東防衛局は2019年に3年以内の米軍根岸住宅返還を発表しました。アスベストの付着など、撤去・処分方法への監視が求められます。実さんは「今後の大きな課題だ」と話しました。(平和新聞2021年1月25日号)