【声明】在沖縄米軍基地の感染拡大への抗議と要請

2020/07/12

各地の活動

【声明】
内閣総理大臣・安倍晋三殿
外務大臣・茂木敏允殿

在日米軍基地の新型コロナウイルス感染状況の公開と、
検査体制の実態調査、日米地位協定の抜本改定を求める
――沖縄における米軍関係者の感染拡大を受けて――


��020年7月13日 日本平和委員会

 沖縄県の玉城デニー知事は7月11日、今月に入って在沖米軍基地で新型コロナウイルス感染者が62人発生したことを明らかにした(普天間基地で39人、キャンプ・ハンセンで22人、その後キャンプ・キンザーでも1人確認され、13日午前時点で63人)。これは、米国防総省が基地ごとの感染状況を非公表とする方針を取る中、県が米軍に公表を迫り、ようやく公表されたものである。しかし、米軍側は感染者の所属や行動履歴などその詳細を明らかにしていない。しかも、「基地内の施設では収容でききれない」ため、米軍基地外のホテルを海外からの人事異動者の隔離施設として利用している。
 これに対し、沖縄県は①感染者数の速やかな公表②普天間基地とキャンプ・ハンセンの閉鎖と拡大防止の徹底③基地内の警戒を最高レベルに引き上げ、違反者は米国へ送還する④米国から沖縄への移動の禁止⑤北谷町内のホテルで実施している移動制限措置は基地内で実施する⑥基地内の医療体制や検査体制の情報提供―などを求めたとしている。
これは県民の命と健康を守るための当然の要求であり、この要求にただちに応えるよう、日本政府も米国政府、米軍に断固としてその実現を求めるべきである。
 いま、東京をはじめ全国で新たに新型コロナウイルス感染者が増加する中で、感染拡大を防ぐ上で、感染状況と行動履歴の早期の把握が不可欠となっている。また、海外からの感染流入を防ぐ「水際対策」が極めて重要となっている。こうした中で、在日米軍基地は日米地位協定によって日本の国内法の及ばない聖域化され、同9条2項によって「合衆国軍隊の構成員は、旅券及び査証に関する日本国の法令の適用から除外される」とし、検疫も米軍任せになっている。米国は世界最大の新型コロナウイルス感染国であり、日本政府も米軍以外は基本的に米国からの入国を拒否する政策をとっている。しかし、在日米軍基地については、頻繁に米本土を含む在外米軍基地から部隊が移動して入り込む事態が続いている。日本全国に米軍が移動して様々な訓練を繰り広げている。しかも、感染が発生していても、その情報は基本的に秘匿される状況が続いている。まさに、在日米軍基地の感染状況は闇に包まれている。これでは、日本国民がいくら感染防止のための努力をしても、米軍基地から感染が広がる危険性にさらされることになりかねない。実際、全国各地の米軍基地で感染者が発生していることが明らかになっている。
 私たちは、日本政府がこの深刻な事態を踏まえ、①沖縄県の要求が実現するよう、全力を尽くすことを求めるものである。②感染状況はただちにその行動履歴も含め詳細に公表すべきである。③米兵の検疫の実態を調査し明らかにすべきである。④米軍基地への国外からの移動は禁止し、国内での米軍の移動も禁止すべきである。⑤これらのことを妨げる日米地位協定を抜本的に改定し、日本の法令を米軍にも適用できるようにすべきである。

カウンター〈21/06/18-〉

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