《要請》
内閣総理大臣、自由民主党総裁・安倍晋三殿
安倍首相、自民党は、憲法審査会への改憲案提案を中止すべきです
――党派を超えて新型コロナ対策へ全力を尽くすべきです
2020年4月21日 日本平和委員会
安倍首相は、4月7日の衆院議院運営委員会での質疑の中で、「(緊急時に)国家や国民がどのような役割を果たしていくべきか、…そのことを憲法にどのように位置づけるかについては、極めて重く、大切な課題」と発言。憲法に緊急事態条項を創設する自民党改憲案の論議を憲法審査会で進めるよう、呼びかけました。自民党幹部からは「(新型コロナウイルス感染拡大は)緊急事態の一つの例。憲法改正の大きな実験台」などの発言が繰り返されています。
改憲は緊急性がまったくなく、国民の多数も求めていません。国民の間に大きな意見の相違がある問題を、コロナ感染で国民が政治的立場を超えて連帯すべき時に持ち出すなど、国民を分断するものであり、言語道断です。
しかも、自民党の改憲案の緊急事態条項は、武力攻撃事態も含む大規模災害時に政府に権限を集中して国民の権利を制限するものであり、集団的自衛権行使を可能にする憲法9条改悪と一体のものです。
このような危険な改憲策動を国民がコロナ感染で危機に瀕しているときに、火事場泥棒的にごり押しするやり方は、断じて許せません。憲法審査会への改憲案提案のたくらみをただちに中止すべきです。