≪声明≫岩国市長の艦載機移転容認表明に抗議

2017/06/23

声明・談話

≪声明≫
福田良彦岩国市長の岩国基地への米空母艦載機移駐容認に抗議する
――2017年日本平和大会in岩国へ移駐反対の大運動を結集しよう――


2017年6月23日 日本平和委員会

 本日、福田良彦岩国市長は、6月市議会定例会の最終日に、岩国基地への空母艦載機移駐受け入れを表明した。これは、2013年に住民投票によって示された多数の市民の反対の意思に背を向け、市民の命と安全、平和的生存権を脅かす基地の大増強を容認するものであり、断じて許すことはできない。私たちはこれに厳しく抗議し、撤回を求めるものである。
 市長の受け入れ理由は、要するに、昨今の安全保障環境の下では在日米軍と自衛隊の連携による「抑止力」が必要であり、だから受け入れるというだけのものである。そこには、空母艦載機移駐によって市民が受ける深刻な被害をどうするのか、また、本当にこの移転が「安全保障」に寄与するのかを真剣に検討した形跡はない。ただ政府の言い分に追従し、市民の命と人権、平和を守る自治体の首長としての責務を放棄した姿があるばかりである。だから市長は、基地の存在を「一面的に『負担』とか『犠牲』とかの概念で定義する」ことに疑義を呈している。基地のためには負担や犠牲は仕方ないと言わんばかりである。
 しかし、「住民福祉の増進を図り、現実に市民の幸福を実現すること」を自治体の役割だというなら、米軍機が130機も常駐(自衛隊機も含めると160機)する東アジア最大の米航空基地にし、昼夜を分かたぬ爆音などの激甚な被害を市民に与えることが必至なこの計画に、断固として反対すべきである。それこそが、市民の命と安全を守る市長の当然の責務である。
 市長は北朝鮮の弾道ミサイル発射事案等をあげ、「日米同盟の結束がこれまで以上に重要」などと述べている。しかし、この間の北朝鮮の核・ミサイル開発とそれに対する日米の対応で明らかになったのは、米空母打撃群が北朝鮮への軍事的威嚇の中心となり、それがこの地域の軍事的緊張を極度に高めていることである。空母艦載機とF35Bステルス戦闘機など米海兵隊航空部隊という2つの「殴りこみ」航空部隊の拠点として大増強する今回の計画は、地域の緊張をいっそう激化させるものでしかない。実際に、市民の間からは、もし軍事衝突が起こったら、真っ先に岩国基地が攻撃されるのではないかという不安が広がっている。
 いまやるべきことは、この軍事対軍事の悪循環を断ち切り、軍縮と対話と外交による解決へと舵を切ることである。これに逆行し、市民に深刻な被害を与え、戦争に巻き込む危険を強めるこの異常な大増強は、断じて許されない。
 私たちは、ここに改めて福田市長による空母艦載機移駐容認表明に断固抗議するとともに、その撤回を求めるものである。そして、10月28、29日に開かれる2017年日本平和大会in岩国に向けて、空母艦載機移転をはじめとする岩国基地の大増強反対の運動を全国に広げる決意を、ここに表明するものである。

カウンター〈21/06/18-〉

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