【和泉】自衛隊で職員研修 平和委が中止を要請

2016/07/03

各地の活動

【大阪・和泉】自衛隊で職員研修
平和委が中止を要請


 大阪府和泉市は6月14日、市職員に対し、自衛隊への「体験入隊研修」を行うことを人事課長名で通知しました。このような研修は同市では初めてのことです。
 対象は、新任の課長補佐級の職員全員。通知文書は、研修の目的を「通常業務と異なる体験を通じて、困難に打ち勝つ粘り強い精神力の養成」、「チームワークで成し遂げる達成感を通じて、自身のみならず部下の成長を引き出すリーダーシップの育成」、「災害が発生した際の迅速かつ的確な危機対応力の充実」などと記しています。
 この情報をいち早くつかんだ地元の和泉平和委員会は翌15日、自衛隊への体験入隊研修の中止を求める要請書を市長あてに提出しました。要請書は「憲法を踏みにじって戦争法が強行され、『海外で戦争する国づくり』が進められようとしているもとで、市職員の自衛隊への体験入隊は看過できない」と指摘。「市民への不安や動揺を招く」として中止するよう強く求めました。

退職自衛官を採用する自治体が急増
〈解説〉
近年、「研修」と称して職員に自衛隊への体験入隊をさせる地方自治体が増えています。
 東京都の府中市は6月初め、入庁3年目の若手職員約50人を対象に、同市内の航空自衛隊府中基地で2泊3日の体験入隊を初めて実施しました。研修は「災害時に規律ある行動を自衛隊に学ぶ」というテーマで行われたといいます。
 地方自治体職員の自衛隊研修が増えている背景には、防災をてこにした地方自治体と自衛隊の関係強化があります。
 とりわけ、退職自衛官が防災や危機管理の専門家として地方自治体に再雇用されるケースが急増しています。
 防衛省によれば3月31日現在で、都道府県に81人、市町村に291人の計372人の退職自衛官が防災関係部局などに在職しています。2010年には181人だったので2倍以上に増えています。
 自衛隊も、退職が近い幹部自衛官に防災や危機管理に関する教育を実施するなど、地方自治体への再就職支援を積極的に推進しています。
 さらに、去年から内閣府の「地域防災マネージャー制度」がスタートしました。これにより、一定の条件を満たして「地域防災マネージャー」に認定された退職自衛官を採用した地方自治体に対して、国から人件費の半額が特別交付税として支給されることになりました。
 市職員の自衛隊研修を実施した和泉市も、防災部局に退職自衛官を採用しています。今後、退職自衛官を採用する地方自治体がさらに増えていけば、防災での連携強化にとどまらず、職員の自衛隊研修の実施や自衛官募集業務の強化など全般的な関係強化が進むと考えられます。
 地方自治体が、戦前のような「軍の下請け機関」に再びならないように、警戒が必要です。
��平和新聞2016年7月5日)

カウンター〈21/06/18-〉

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