【談話】
日米地位協定にかかわる米軍属の範囲縮小合意についての談話
2016年7月5日 日本平和委員会事務局長・千坂 純
日米両政府は7月5日、日米地位協定が定める軍属の対象範囲を縮小することで合意したと発表した。これは、米軍属の元海兵隊員の男による女性暴行殺人事件を機に高まっている、日米地位協定の抜本改定を求める沖縄県民の要求に押された動きである。
しかし、このような小手先の対応で、米兵犯罪を根絶することができないことは明白である。在沖米軍関係者数は2013年3月末時点で52092人、そのうち軍属は1885人で全体の3.6%、今回の合意で軍属の適用除外となるのはそのなかのさらに一部でしかない。圧倒的多数の米軍人・軍属が、できるだけ米軍関係者を日本の裁判で裁かないようにする日米地位協定と裁判権放棄の日米密約によって守られている状態が続く下で、米軍関係者の犯罪を根絶することなどできるわけがない。
そもそも米軍関係者による犯罪が繰り返されるのは、日夜、戦争のために戦闘訓練を繰りひろげている米海兵隊をはじめとする米軍部隊と市民生活が隣接していることに原因がある。「(日夜戦闘訓練を行う米兵に)戦場で攻撃的にさせておいて駐屯地に戻ったら行儀良くさせるのは難しい」と在沖米海兵隊総司令官もはっきり認めている(2001年4月15日、ヘイルストン中将)。
だからこそ、6月19日に6万5千人の県民が集まって開かれた県民大会は、「在沖米海兵隊の撤退、米軍基地の大幅な整理・縮小、県内移設によらない普天間飛行場の閉鎖・撤去、日米地位協定の抜本改定を求めたのである。今回の日米両政府の合意内容は、この県民の切実な要求とはあまりにもかけ離れている。
こうした合意を参院選挙投票日前に発表したのは、県民の怒りに応えるポーズをとって、票をかすめ取ろうという意図があると指摘されている。しかし、このような合意自身が、日米政府の事態の深刻さに対する認識の欠如を浮き彫りにしている。しかも一方では、辺野古への新基地建設を推進する立場にいまだに固執しているのである。こうした態度は県民の要求に逆行するものと言わなければならない。
私たちは、このような小手先の対応ではなく、県民集会の要求に全面的に応えた対応をとることを強く断固として求めるものである。
