【声明】 南スーダンからの自衛隊部隊の撤退を求める

2016/07/15

声明・談話

【声明】
内戦状態の続く南スーダンからの自衛隊部隊の撤退と安保関連法(戦争法)の廃止を求める


2016年7月15日 日本平和委員会

 一、 南スーダンで7日以降、政府軍のキール大統領に忠誠を誓う勢力とマシャール副大統領に忠誠を誓う勢力との間で戦闘が再燃している。報道によれば、両者の戦闘により、これまでに270人以上が死亡している。首都ジュバにある2カ所の国連PKO基地周辺でも戦闘があり、10日には中国軍の装甲車が砲弾による攻撃を受け、兵士2人が死亡した。自衛隊の宿営地のある国連PKO基地の周辺でも激しい戦闘があり、戦闘が続く間、陸自隊員は防弾チョッキを着用して宿営地内の防弾壕に入って安全を確保したと報じられている。11日に大統領派と副大統領派の双方が兵士たちに停戦命令を出して以降は大規模な戦闘は起こっていないが、情勢は依然不透明である。
 2013年12月に勃発した両者の戦闘はまたたく間に全土に拡大し、国連も「内戦(internal armed conflict)」と認定し、昨年8月に結ばれた和平協定に基づき今年4月に両者による暫定統一政府が発足するまで少なくとも5万人が死亡し、国民の5人に1人に当たる約230万人が難民や国内避難民となって家を追われた。
 日本政府は、本来であればPKO参加5原則に基づき自衛隊を撤収させるべきところを、自衛隊が活動するジュバにおける戦闘が早期に収束し、その後も治安が比較的安定していたことから「武力紛争が発生したとは考えていない」として派遣を継続してきた。しかし、今回ジュバで戦闘が再燃したことで、この政府の主張は崩れた。それにもかかわらず、政府は「武力紛争が発生したとは考えておらず、反政府側が紛争当事者に該当するとも考えていない」(中谷防衛大臣)などという国際的に通用しない「理屈」で派遣を継続する方針を表明している。
 PKO参加5原則は、現地に派遣された自衛隊が憲法が禁止する武力行使に至ることを防止するための「担保」であり、現在の南スーダンの状況は明らかにその前提が崩れている。日本政府は、自衛隊が憲法違反の武力行使をすることのないよう、部隊や隊員の安全確保を最大限考慮しながら部隊を撤収させるべきである。
 一、自衛隊の撤収は、南スーダンで国連が行っている文民保護ミッションへの日本の関与を放棄することを意味しない。国連PKOは、軍事部門だけでなく、行政部門、文民警察部門、そして非武装の軍事監視団で成り立っており、自衛隊を撤収しても様々な関与の手段がある。国連PKOの枠組みだけでなく、大統領派と副大統領派間の和平プロセスの進展、または対立してきた民族間の和解を進めるための外交的な関与もできる。我々は日本政府に、憲法9条を持つ国にふさわしく非軍事の分野で国際社会の一員としての責任を果たすことを求めるものである。
 また、宿営地の共同防衛や駆け付け警護、安全確保業務など、派遣部隊が武力行使するリスクを格段に高める安保関連法(戦争法)の適用に反対し、多くの市民や団体、政党などと共闘して同法の廃案のために奮闘する決意をあらためて表明する。

カウンター〈21/06/18-〉

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