【声明】
大阪市長・橋下徹殿
橋下大阪市長の「“慰安婦”強制 証拠ない」発言に抗議し、撤回を求める
2012年8月22日 日本平和委員会
橋下徹大阪市長は8月21日、「従軍慰安婦問題」での旧日本軍の関与をめぐり、「強制連行があったかどうかの確たる証拠はない」「慰安婦が軍に暴行、脅迫を受けて連れて来られたという証拠はない。あるなら韓国にも出してもらいたい」と、大阪市役所で記者団に述べたことが報じられた。
日本政府は、1993年8月4日、河野洋平官房長官談話で「慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当ったが、その場合も甘言、強圧によるなど、本人の意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった」と明記して、「官憲」が「強圧」によって、慰安婦を生み出したことを公に認めている。橋下発言は、こうした日本軍の犯罪である「従軍慰安婦」強要の事実をなきものにしようとするものであり、断じて許すことはできない。
一方で橋下市長は、「慰安婦制度は今から考えると非常に倫理的に問題がある制度なのかもしれないが、当時の時代背景において、どういうものだったのかということを真正面から議論しなければいけない」とも発言した。これはまるで「慰安婦」制度が必要だったかのような発言である。ここには、同市長の品性のなさが改めて示されている。
このような発言をする橋下氏は、市長の資格に欠けると言わざるをえない。橋下市長の時代錯誤と戦時下における女性軽蔑発言は女性の名誉と尊厳を傷つけるもので、とうてい座視することのできない暴言である。強く抗議するとともに、ただちに発言の撤回を求めるものである。