≪声明≫
防衛大臣 岸 信夫殿
日米共同統合演習「キーン・ソード21」、とりわけ臥蛇島、種子島での強襲上陸演習の中止を求める
2020年10月9日
日本平和委員会
鹿児島県平和委員会
種子島平和委員会
奄美平和委員会
米軍・自衛隊は、10月26日から11月5日にかけて、日本周辺空海域を使って史上最大規模の日米共同統合演習を実施する。この演習は1985年以来、指揮所演習と実働演習が毎年交互に行われ、実働演習は今回が15回目となるが、自衛隊の参加人員は約37000人、米軍は約9000人となっている。また、カナダ艦艇1隻が参加するとともに、英、豪、加、仏、印、比、韓の7カ国の在京武官がオブザーバー参加する。演習では、サイバー戦、電子戦、宇宙戦の演練も組み込まれている。このなかで、鹿児島県・臥蛇島では、米軍オスプレイ4機も鹿屋基地を整備拠点として参加し、米海兵隊と陸上自衛隊水陸機動団など空海陸一体となった敵地襲撃訓練が行われ、種子島でも県有地の旧空港を使い、それと一体の演習が行われる予定である。
この演習は、戦争法と敵基地攻撃軍拡構想の下で、先制攻撃も含むアメリカの危険な軍事戦略に自衛隊を組み込むためのものである。それは、憲法違反の集団的自衛権行使、先制攻撃の軍事作戦に自衛隊が参加する態勢づくりの一環である。周辺国との軍事緊張をいたずらに高めるものと言わねばならない。
特に、米軍オスプレイと共に、自衛隊のヘリ搭載護衛艦、輸送艦(揚陸艦)も参加した、臥蛇島での日米殴り込み部隊による敵地強襲(べリボーン作戦等)訓練は、極めて挑発的である。種子島の長浜海岸と旧空港を使った自衛隊訓練もこれと一体となった着上陸訓練である。この訓練は、馬毛島の米軍・自衛隊訓練基地化計画が、この地域を日米の殴り込み作戦の拠点とする危険なものであることを、改めてまざまざと示している。
いま、新型コロナウイルス感染の広がりの下で、周辺各国と命を守るための協力を強めるべきときに、緊張をいたずらに激化させるこのような訓練はやるべきではない。訓練に注ぎ込む莫大な予算は、コロナ対策と国民生活の支援にこそ振り向けるべきである。
以上のような立場から、私たちは日米共同統合演習の全面的中止を求めるものである。周辺住民の命と安全を脅かす鹿屋基地のオスプレイ使用も中止すべきである。また、馬毛島の米軍・自衛隊基地化の計画をただちに中止すると共に、臥蛇島、種子島の訓練場化のたくらみも中止することを求めるものである。