日本平和委員会は8月31日に開かれた第2回常任理事会で、表記の声明を確認。米大使館、日本政府、フランス大使館に送りました。
【声明】シリアへの違法な軍事攻撃の企ての中止を求める
2013年8月31日 日本平和委員会第2回常任理事会
一、 米オバマ政権などは、内戦が続くシリアで、政府軍が反政府勢力に化学兵器攻撃を行ったと一方的に断定し、軍事攻撃を行う構えを見せている。
化学兵器使用の事実については現在、国連調査団が調査をすすめているさなかである。このなかで国連安保理の決議もなく一方的に軍事攻撃することは、国連憲章違反の違法な攻撃である。我々は、軍事攻撃の企ての中止を強く求めるものである。
もちろん化学兵器の使用は、誰によるものであれ人道と国際法に反する重大な残虐行為であり絶対に許されない。しかし、それへの対処は明確な事実と国連憲章をはじめとする国際法にもとづき、国際的な一致した力で行われるべきである。一方的な軍事行動は、こうした国際社会の協力に障害をもちこむものである。
一、 いま国際社会が集中すべきは、シリアの内戦の一刻も早い収束への努力である。アサド政権側と反体制側が戦闘を中止し、解決に向けた交渉のテーブルに着くよう、あらゆる努力を傾けることが求められている。一方的軍事介入は内戦のいっそうの泥沼化と国際化、深刻な犠牲の拡大を生み、その解決を困難にするだけである。
藩基文国連事務総長も、「平和にチャンスを。外交にチャンスを。戦闘をやめて交渉を」「双方に武器を供給している者たちに対し、我々は問わなければならない。さらなる流血以外に、その武器は何かを達成したのか」「なぜ、火に油を注ぐのか」(8月28日の演説)と訴えている。
イギリス議会が英政府の軍事介入を否決し、ドイツ、イタリア、カナダ、NATOも軍事行動への参加をしない態度を表明している。それは、アメリカをはじめ各国国民の圧倒的多数の世論が軍事介入に反対しているからに他ならない。これがイラク戦争の悲劇を経た世界の大勢である。
我々は世界の人々とともに、改めてシリアに対する一方的軍事攻撃の企てを中止することを求めるものである。また、日本政府がアメリカに追随して、またしてもこの無法な軍事攻撃を支持し、戦争に加担することをやめるよう、強く求めるものである。
